素材があっての料理。生産者の皆様は、ともにお店をつくっているような大切な存在です。同じ道南の地で上質な食材を育てている皆様も、この地の豊かな「風土」そのものであると考えています。ごく一部ではありますが、そんな生産者の皆様の食材へのこだわりをご紹介します。
土を耕さない。作物に肥料を与えることもしない。
そんな有機野菜の生産者が、今金町にいます。
「シゼントトモニイキルコト」の代表・曽我井陽充さんは、
プロスノーボーダーから転身した“革命家”です。
お父様がご逝去され、5代目として農園を継いだのは2001年。
カレンダーに書き残されたメモを頼りに、一心不乱に作業を行う中、
曽我井さんの心に芽生えたのは、ひとつの思いでした。
「作業を手伝いに来てくれた大切な仲間たちに、
農薬を使った野菜を食べさせることが、とても後ろめたくて」。
そこで、独学で有機農業について学びはじめます。
土を耕さないから、微生物がいきいきと暮らし、いい土をつくる。
化学肥料を使わないから、生態系もいい土も保たれる。
そして、農薬を使ないから、
さまざまな生きものが共生していける、きれいな空気になる。
自然本来のサイクルを大切にした環境を整えれば、
土を耕さなくても、肥料を与えなくても、野菜は元気に育つのです。
現在、約400品種にも及ぶ野菜やお米を生産する曽我井さん。
「夢は世界平和です。いい作物が育つ。
おいしい料理ができる。そして、みんなで楽しく、食卓を囲む。
その輪が広がれば、世界は平和になると信じています」。
関川シェフは、かっこいい人です。 料理に対する考え方が、本当にかっこいい。
道南の「風土」を表現した一皿からは、あたたかさ、ぬくもりを感じます。
私たち生産者との関係も、大切にしてくれます。
真面目で実直な人柄、ひたむきな姿勢には、いつも刺激を受けています。
取引先、ではなく、思いをともにする同志。 一流シェフ、である前に、親友だと思っています。